こんなツイートがありました
教員にとって、超過勤務問題は深刻な問題です
特に私が学校に勤めていて問題だと感じていたところは、
「残業、休日出勤の対価(報酬)が支払われていない」
ということです
もちろん制度上は休日出勤(出張など)の場合は代休が取れるようになっています
しかし、普段、年休すら消化できないのに、
そんなものは意味がないというのは
みなさんも知っているとおりです
特に20代のころは、
「どうせ休みなんて取れないんだから、
せめて金をくれ」
と思っていました
ここでは、教員の実際の給与明細をもとに
「教員の本当の時間単価(1時間あたりの報酬)」
を計算していきたいと思います
時間単価って?
時間単価の考え方
時間単価とは「自分の労働に対する1時間当たりの価値」のことです
時給をイメージしてもらえればと、と思いますが、実際は少し異なります。
自分の時間はタダじゃないので、下の全てが時間単価を計算するための対象になります。
- 労働時間
- 残業時間
- 通勤時間
つまり時間単価とは「給料に対して、仕事のために使っている全ての時間」で算出した価値ということです。
時間単価の計算方法
時間単価は以下の式で簡単に計算できます
給与総額(除交通手当、住宅手当等)/学校のためにかけた総時間
- 給与に含まれる住宅手当や通勤手当は、実際にそれらの支出を伴っているので、計算には入れません
- 扶養手当、部活動手当などは、計算に入れます
- 学校のためにかけた総時間には、以下のようなものが含まれます
- 通常勤務時間
- 残業時間
- 部活動指導時間
- 持ち帰りの仕事の時間
- 通勤時間
- 突発的な対応の時間(保護者からの電話など)
特に意識してほしいのが、通勤時間や突発的な業務の時間です
私が住んでいるのは田舎の自治体ですので、
通勤方法は自家用車通勤がほとんどです
1時間以上をかけて通勤してくる先生も
多くいます
保護者から子どもの相談の電話がかかってきて
気づいたら1時間話していた..
なんてこともよくありました
教員の実際の給料は?
田舎の自治体、33才、妻1人子2人の場合
私の退職前の給与明細です
詳しい給料の推移は、今後のブログでアップします
給与月額 | 教職調整額 | 扶養手当 | 通勤手当 | 義特別手当 | 日額特殊勤務手当 |
281600 | 11264 | 26500 | 24800 | 3800 | 21600 |
長期厚生掛金 | 長期退職掛金 | 共済短期掛金 | 住民税 | 控除額計 | |
32940 | 2700 | 15663 | 8700 | 60003 |
支給総額 ¥369,564
税引き後手取り ¥307,961
どうでしょうか?生活としては、妻が専業主婦でも
問題なく暮らしていけるレベルではありました
私もそうでしたが、
教員って、なかなかお金を使う場がありません
付き合いの飲み方も少ないし、休日も部活動でつぶれるからです
教員の時間単価は?
規定時間のみで計算した場合
上記の出勤日数を22日とすると、一日当たり7時間45分が勤務時間なので、
¥369,564/(22×7.75)
=約2,168円
33歳の教員の仕事を単純に時給換算すると、2,168円となります
残業時間も入れて計算した場合
この月の残業時間は約95時間でした。週末の部活動にも7日間出ています。
¥369,564/(22×7.75)+95
=約1,392円
だいぶ単価は落ちました
通勤時間、突発的対応の時間も入れて計算した場合
通勤手当が24800円ついていますが
片道38km、1時間かけて通勤していました
田舎のため、このくらいの距離時間をかけて
通勤する人は多かったです
また、この月は生徒の進路について保護者と電話することも多く、
進路決定の時期にもかかわらず、問題行動も複数件起き、
対応に追われていたのを覚えています。
通勤時間:通勤日数×2時間
突発対応:10時間(概算)
を加えます
¥369,564/(22×7.75)+95+(29×2)+10
=約1,017円
また一段と下がり、都心部のアルバイト時給並みの時間単価となりました
まとめ
私たちの時間はタダではありません
その時間を使って
- 趣味に没頭したり
- 家族との時間を過ごしたり
- 自己投資として教育以外のスキルを磨いたり
することができます
私たちが1時間あたりいくらの報酬をもらって
学校で働いているかと考えた時、
実は低い私たちの報酬
私たちが今日も夜遅くまで残ってやっている仕事は、
その対価に見合った仕事なのでしょうか?