私はもうすでに教員を辞めて、
違う仕事してるけど、
教員として身につけたスキルって、
他の職でも使えると思うことが多いです。
本当?
どんなスキルが役立つの?
例えば、
教員はコミュニケーション力が高くて、
人との関係を築くのが得意だから、
営業やカウンセラー、コンサルタント
などの職に向いてるんだよ。
質問をいただきました
緊急事態宣言中ですが、
担当する部活動で、主で持っている顧問が
「休まず練習する」と息巻いています
多忙を極めた4月から、一息つけると思ったのに、
GWは休み無しが確定しました
そもそも部活なんて教員の主たる仕事ではないはずなのに
なぜここまでやらないといけないのでしょうか
もう疲れました…
部活動で悩んでいる先生は多いと思います
今回はブラック部活といわれる現状の原因と今後の改善の可能性について
書いていきたいと思います
このブログはこんな人におススメです
部活動指導で悩んでいる先生方
これから教員採用試験を受けようとしている方
スポーツ指導に関わっている人、関わりたい人
これまで部活が重要視されてきた背景
教育活動≒生徒指導≒部活動
戦後長い間、学校における教育意義は非常に大きいものでした
生徒の学力向上のみならず
生活指導
生徒指導
進路指導
課外活動
昔の先生方も、今と変わらずプライベートの時間はほとんどなく
生徒とかかわる時間は長時間であったと聞いています。
1980年代、全国の学校は荒れに荒れました
校内暴力
器物損壊
日常茶飯事のように毎日起こる問題行動を抑える上で、
今では考えられない生徒指導も日常的に行われていました
そうしないと抑えられない部分もあり
社会的にもそういった生徒指導は容認されていました
教師が生徒を統治するという生徒指導において
部活動はとても重要な場の一つでした
部活は、技術指導はもとより、生徒指導、ひいては
学校を落ち着かせるため、子どもの信頼を得るため、教師と生徒(大人と子ども)の関係性を維持するために行われていた側面がありました
部活動が進路に直結
1980年代は高度経済成長の時代
大量生産、大量消費、バブルの中にあって
社会は組織の中でたくましく、強く働き続けることのできる人材を求めていました
- 会社に尽くし、休まず勤勉に働く
- 上司の命令にも率先的に動き、成果を上げる
- 自らが上司となったとき、同じように部下を統治し、成果を上げる
このような人材を社会が求めていました
また、個人もその社会の中で働くことで、
着実に待遇が上がり幸せを手にすることができていました
教員が進路指導をする際、
部活動はそれらを会社にアピールする上で
とても有効なものでした
「勉強ができなくても、
部活を頑張っていればなんとかなる」
という未だに残るこの価値観は、このころに生まれました
部活動指導が得意(≒生徒指導が得意)な教員を重宝せざるを得ない
以上のような背景があり、学校としても、部活動指導に熱を入れてくれる教員を
重宝していました
今以上に、
休日も、しっかり
部活動指導してくださいね
となっていたわけです
部活動がブラック化した原因
生徒・教員ともに少数化している
教職員の高齢化
現在の教職員の平均年齢は43歳前後
団塊の世代の退職で少しずつ下がってきているとはいえ
- 退職後も再任用として残る教員が多い
- 少子化で採用も少なく、20代の職員が極端に少ない
など、高齢の教職員が多い現場が多くあります
専門で指導できる教員が少ない
学校における運動部活動は年々低下しています
当然教員として採用される先生方の中でも、
部活が未経験もしくは一応所属していたけど..
という先生が増えてきています
職員の高齢化と相まって、
サッカー部の顧問がいないな..
50代の先生方にお願いするわけにもいかないから、
うん、初任(若手)の〇〇先生、お願いします
となるケースが非常に多いです。
生徒・保護者のニーズの変化
多様な考えが尊重される現代において、
部活動への関わり方も生徒それぞれ、保護者それぞれです
やる気のない子(保護者)から、もっともっとやりたいという子(保護者)
までがいるのですから、それをまとめる教員の負担は増える一方です
競技団体のガバナンス(組織力)向上
野球、サッカー、バスケなど、この数十年でレベルが一気に向上した
競技もたくさんあります
それらの競技では、競技団体(〇〇協会)が
組織統治の名目で、
- コーチライセンス
- 審判ライセンス
- 各種指導者研修
などを徹底しています
部活動における、これらの弊害として
- 未経験者でもコーチングの研修に行かなければならない
- 嫌でも試合で審判をしなければならない
- それらに係る費用は、基本個人持ち
となり、まさにブラック部活の中核の一つ
となってしまっています
BDK(部活大好き教員)によるパワハラ
・週末は終日試合を組みます
・部活動指針?どの学校も守ってませんから
・生徒が頑張っているから、我々もやらないと!
私個人は、部活動の意義や教育的効果を否定していません
現職の頃は、部活動も一生懸命行いましたし
そこでの生徒とのつながりは、教室では得られないものである、とも
感じています
しかしながら、それは私が専門としてその競技を指導できていたからです
自分の価値観や指導観を、他者にも共有させようとするタイプと
組んでしまうと、プライベートな時間が多く奪われる結果となってしまいます
現状のまとめ
これまでの部活動至上主義の背景として
- 学校≒生徒指導≒部活
- 部活が進路に直結
という話をしてきましたが、この前提が今は崩れつつあります
昔のような生徒指導は今はできません
昔は、部活動で生徒を指導することのメリットが
教員側にも、多くあったのです
一方で、
- 事故
- いじめ
- 体罰
など、万が一の時には責任を負わされる可能性がある
のが、現代の部活動指導です。
メリット<<<<<<<<デメリット
これが現代の部活動指導なのです
当たったら10億円の借金!
なんて宝くじを無理やり買わされている感じでしょうか..
部活動の今後
文科省は、学校改革を踏まえた部活動の改善のため、
令和5年度より、
平日は学校が責任を持ち、放課後に部活動を行う
休日はその地域の競技団体が責任を持ち、活動を行う
といった内容で実施する改革案を出しています
この中では、
部活動は、必ずしも教師が行う必要がないこと
休日に教師が部活動を行う必要がないこと
希望する教員は引き続き休日も指導にあたる(兼業する)ことができること
などが明記されており、実現出来たら確かに改革となり得ます
ただし、
案の中では、
人材の確保
財源の確保
学校間の合同チーム編成を推進することによる負担増
などの課題があります。
国はそういっていますが、
該当競技の指導者がいないため
しばらくの間はこれまでどおり
でお願いします
これまで雀の涙の手当で休日部活していたけど、
兼業しても休日手当が増えないから
これまでと変わらないじゃないか!
スムーズに移行できないことは必至です
未だしばらくの間、劇的にこの環境が改善されることはなさそうです
個人的には、受益者負担として
保護者に負担を求める
必要があると考えています
その競技をしたいのであれば、少し遠くても通わせる
活動に際し、原則その保護者が経費を支出する
これまでの
「学校や国、自治体がやって当たり前」
というマインドを変えていく必要があるのではないでしょうか
まとめ
私は、部活動指導に魅力を感じながらも、
ボランティア(むしろ手出し>手当)で指導を行うことに
疑問を持ち続けていました
部活が好きな私のような人間でも、そう感じてしまうくらい
現状の制度は破綻寸前です
昔と現在は環境が違います
教員が部活指導を行って当たり前ではないというマインドを
我々教員側がまずはしっかりと持ち
メディアや世論を動かすことで
2年後の改革が少しでも進むようにしていきたいところです